インドを離れるかもと分かった時、最初に動いたのは「猫引越し」
どうやら、猫と一緒に引っ越すためには「業者」を通さないといけないらしい。
ただでさえ、辺鄙な土地だもん。狂犬病だって普通にあるし・・・ということで、当初はもうこれは必須でしょうと思っていた。
さて、行き先は?
日本?英国?インドネシア?(当時はバリ行きもかなり真剣に考えていたから)
インドネシアの場合、というか、バリ島の場合、動物持ち込み禁止!えっ!
どうやら、ジャワ島とかに持ち込んで、陸路で密輸ルートありということだけれど・・・いやあ、それはちょっとかわいそうでしょ?それなら・・・英国の義理の母に預かってもらおうか。・という話に。
まず、猫たちを引き取った時点で、この子たちはインド土産だと決めていたし、だれかに譲るとかそういうのはなしで。
とりあえず、一番にすることは、狂犬病の予防接種を打って4週待って、英国の検査機関に送るということ。それと同時にマイクロチップを埋め込むこと。
よし!
ということで、さあ獣医に!
でも・・・
実はその時でした・・・
猫が糸を誤飲して大変なことになったのは!(涙)
ええー。このタイミングで、時間遅くなっちゃうけど、いけるのか??
(検査後、英国の場合は三ヶ月、日本の場合は六ヶ月、国内に住んでいないといけないことになっている)
まあなんとか、手術も成功して、獣医がもう大丈夫と言ってくれたときに、狂犬病の注射とマイクロチップを入れてもらった。うまくいけば、7月の頭にインドを脱出できるという運び・・・(家族のビザは6月末なんだけどね・・・まあ、なんとかなるという感じで)
結局、そんなこともあって時間に少しゆとりができたので、色々サーチ。
2つの業者にもコンタクトをとって見て、見積もりを出してもらう。
でもその段階で、素朴な疑問が・・・
なんだか、明細があってないようなものだし、実際に手続きって??
どこにどれだけお金がかかれば、この費用になるの??という。。。
うーん、怪しい。
この最初の検査というのが、「オプション」なのだけれど、値段が8−10万円。
命を救うための手術代と比べてしまった私・・・笑
全て頼むと、20−30万円のチャージ。
インドってお金のある人へのサービスは本当に高い。。。
海外に動物を持ち出そうなんて人、駐在の人か本当にお金持ちのインド人しかいないから、ここはプレミア価格というわけ。ドライバーの月給が5万円とかの日常で血液検査が10万だからわかると思うけれど・・・
さて、公式サイトから検索していくと、検査機関がチャージしているのは、1頭50ポンド程度ざっと2頭で2万円。
パッケージと手続きと、送付料金で6万円??
更に、公式サイトの情報で、海外から送付する場合は・・・という注意書きを読んでいると、実際に個人でする人もいると言わんばかり。ってことは、できるってこと?
いや、できるでしょ?
ということに発想が変わったら、ここはもう自分でするでしょ?
なんだかえらい細かい、数ページにも渡るIATAの生物検査するためのサンプルの梱包方法をじーっくりなんども読み返したり・・
まあ、そういうのも何度も読み返せばわかってくるもので。(でも最初はそこで、もう無理無理と思っちゃう)
検体を紙などこぼれても広がらないものに包み、その上で割れないように梱包。最終的な大きさのガイドもあって、それ以下の場合は、もっと大きな資材に包んで、最終的な外側の包みには内容物の明記(法的に危険物を示す番号とともに)などなど・・・
シミュレーションOK。
あとは、検体を送る運送会社・・・
これが、結構な難でした。
あちこちに電話するも、内容物から言ってウチでは送れない。
もともと、あの暑いムンバイで空港に到着するまでに腐るでしょ?というのが私の中では非常にネックで・・・冷蔵をイメージしていたのだけれど、まず、無理ということがわかった。
一応、冷蔵がある会社もあったけれど、それは業者向けで個人向けではなく・・・どうしても無理らしい・・・
個人で海外に、しかも危険物の一部に入る1ミリとはいえ液体を送るというのは無理!
もっとも良いのは、誰か友人に頼み込んでヨーロッパに行く友達に現地から荷物として郵送!(と言っても、そんなに都合良い時期に頼める友達がヨーロッパに行くでもなく)
とにかく・・・
、、、紛らわしいことに、
電話での対応が、人によって違う!
から、惑わされて、惑わされて、
あちこち振り回されて、
真剣に振り回されて・・・
最終的には、別の検査機関がここだけはなるべく使わないでくださいと、名指しでダメダメと示してあった、FEDッXに。
F社にももう、20回くらい電話してて、それぞれいうことが違うから、もう本当にこれイヤーって感じだったのだけれど・・・
その間に、一旦諦めかけて、ペット引越し業社にも連絡しましたよ・・
梱包も、書類作成も自分でするので、送付だけお願いできないかと。
そしたら、もちろんー。と、全額要求してきたので、やっぱりやめました。えげつない誠意のない会社は使わない!と心に決め・・・笑
私が気になっていた、空港に到着するまでに腐る説。
それなら、なるべく空港に近いデポに自ら届けるのが一番だ!そう思いついて、空港に近いデポを教えてもらいました。幸い、自宅から空港までは5−6キロだし(時間的には平気に45分くらいかかるのがムンバイの道路だけど)
何時に出荷になるかとか色々チェックもしつつ、暑すぎない夕方を目指して。
獣医は、手術をしてもらった南の獣医まで・・・
何度も、本当に業者を通さなくて大丈夫なのかと獣医にも心配されたけれど(個人でやろうとした人は初めてだったらしい)必要書類に必要事項を記入してもらって、血清になるまで待って(小一時間)小さな小さな2ミリリットル程度のアンプル2本を大事に包んで、大事に保冷バックに入れて自宅へ。
パッキングも完璧。
いざデポへ。
Gマップ。インドで何度騙されたことか・・・
その時もまんまとGマップには騙され、ドライバーに聞いてもらい、なんとかたどり着いてもらって、デポへ。
内容を把握してもらうと、あ。それはここじゃないねと。
それはそれはもう、見るからに腐りそうな熱風の立ち込めていたデポで、やっぱりこういうところに放置されちゃうのね・・・と不安になりつつだったので、そこではないと聞いたときは、逆に嬉しかったのだけれど。
更に指定された場所にたどり着く。
これ、空港すぐそば。(マロルナカ)
わーい。
ああ。冷房のオフィス!
と思いきや、あっちに回れと言われ・・・
ああ、
やっぱり熱風な場所へ・・・
そして、あと10分待てと言われ、もちろん30分ほど待たされて(たまたま、そこにいた人がドライバーのご近所さんだったこともあって、対応はスムーズ)、カウンターがオープン。
どうやら、そこは空港に近いということもあって、空輸便を扱うデポ?(勝手な想像)
しかも、空輸便は夜中の便らしく、その手続きは夕方から受付という感じだった。私みたいに個人できている人はいなかったけれど・・・(集荷サービスがあるから)
この時もずっとサンプルは保冷バックに保管してて、なるべく出さないように、なるべく出さないように・・とやっていて、空港までこれに入れてってーっと頼んだけど、さらりと「いや、もうこのまま持ってくから・・・冷房効いてる?大丈夫だから」と持っていかれた。
いや、持ってってもらって良かったのです。
放置されちゃうよりは。
そんなこんなで、この発送手続きだけでも、デポについてからまる1時間。
インドタイムです。
全然気にならないわけじゃないけれど、想定内。笑
ブツは、大きな封筒から更に専用の封筒に入れられ。
なので、私には追加事項で書く義務がある・・・とまたそのカバーに必要記入事項をマジックで書き。(もしこの法的な義務に従わなかったら、サンプルの検査自体が遅れるらしい)
そんな風に、集荷に来てもらわない、自分で見届ける幸せを感じ。笑
なんとか、ビッグジョブクリア。
結局、荷物は真夜中にインドを出発して、ドバイに到着。
その後、フランスを経由して、イギリスに届いた。(ちゃんとトレースもできた)
残念だったのは、イギリスに届いたのが週末だったから、検査期間に届いたのが週明けだったこと。もしそこまで計算するなら、サンプルは月曜日に取るべき。
数週後、メールで狂犬病の検査はクリアーだと連絡がありました。
そうこうしている間に、インドネシア行きの話はなくなり。
急浮上したのが、アメリカ・・・
え?
調べてみると、犬は多少の制約があっても、猫にはほぼ「制約なし」。
ってことは、出国の手続きさえしてしまえば大丈夫?
しかも、英国行きの場合は、貨物でしか猫を運べないということ。
しかもブリティシュエアウェイズの規定だと、猫一頭につき大型犬のクレートに入れるという・・・航空会社に問い合わせ、カスタムメイドで、2頭間に仕切りがあり、IATAの基準を満たして入ればそれでも大丈夫ということがわかって、カスタムメイドの木製の檻を作ってもらおうかと思って、その設計図まで書いていた(笑) ネットで見つけた↓こんな素敵なのを作ってもらおうと!(大きさ的には大型犬並より一回り大きい程度。2頭は仲良しだし、猫が大きなスペースに入れられて1頭だとすごくストレスだろうと思って)
ところが、アメリカ行きとなると、機内持ち込みオッケー!
結局、ルフタンザの機内持ち込み、ヨーロッパ経由でアメリカに行くことに!(遠回りだけど)しかも、航空運賃、一頭につき1万3千円程度?
貨物の場合の見積りだと10万円弱とか書いてあったような・・(結局、業者が全て水増ししている可能性高いけど)
三ヶ月ルールもないし、一緒に出発できる。
そんなこんなで、最初はこの血液検査だけ自分でと思っていたけれど、色々調べて行くうちに、いや、自分で全てできるんじゃないかという気になって、最終的には、これ以上のコストもかからずに、(健康診断料のみ?)検疫にも自分で連れて行って全てクリア。
ナビムンバイの検疫、獣医のチェックはほぼない・・笑
マイクロチップをチェックされて、獣医恐怖症になっている二匹はケースからも出てこず。私が無理やり出そうとすると、獣医さんが一言「大丈夫、そんなにしなくても。」はいはい、良い子だね・・・と、さっと手を入れて触っておしまい!笑
手続きそのものには3時間ほどかかったけれど、ここもインドだから想定内。
しかも、一枚提出すべきペーパーのコピーを忘れていたのだけれど、そのコピーは施設内では取れないから、外でとってきてと言われ。、、近所に取りに行くと、そこのおじさん、コピー?ちょっと待ってね・・・と従業員を呼び・・・(その間に私、これ使っちゃダメですか?というと、自分には使い方わからないから・・。あ・それなら、私自分でしちゃって良いですか?とセルフサービス。)
晴れて、書類は大丈夫なはず。
むちゃくちゃ多い荷物と共に、猫二匹抱えてインドを出発。
サイドが広げられるタイプの飛行機用キャリアケース。
最初のチェックポイントは、インド出国。
セキュリティーのところで、書類チェック。猫はバスケットから出すように言われて、一頭ずつ出して、バックのみ機械を通す。(その後、ドイツでも同じ)
これが、検疫所からの書類。持ち込んだ写真の裏にも明細を書き込んでスタンプ付き。
いやあ、この子たちのうるさかったこと。
すごい勢いで、ミャーミャー鳴き続けました。
フランクフルトまで・・・
トランジット中。
歩きたいよね。一緒にいたいよね。お水のみたいよね、トイレ行きたいよね。ちょっとスナックも欲しいよね・・・
ポップアップ式のケースも買って大活躍。
そしてまさかの、更に8時間コース。
でも流石に、猫たちも慣れたのか、諦めたのか、乗り継いだフライトでは大人しく静かでした。
そしてとうとう、ニューヨークへ。
食材の持ち込みすら厳しいから申請しないとダメと聞いていて、それでも最小限は・・・もう、申請して持って行っちゃえ!とリストアップして申請していたのだけれど、入国管理員に聞かれたのは、「肉類はあるか?」という話で、全くないけれど、猫がいる・・・と答え・・・
でも、あれ?
アグリカルチュアルな申請という方へ向かっていると、何持っている?と聞かれ、猫だと答えると、あっちにいけという。
普通に、申請するものなしな方なんだけれど・・・
猫たち、顔を見せることもなく、スルー。
えーっ
良いの?良いの?良いの??
最後は本当にあっけなく、アメリカに来ちゃいました。