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スラムツアー

数週前に行こうと思っていて行けなかった、スラムツアーに行ってきました。
メモとか取ってないので、記憶がすでに??だけど、曖昧ながらも覚書兼ねて。。。

行ったのは、ダラヴィという世界で第二の規模のスラム街。
人口は100万人!面積はニューヨークのセントラルパークの半分でサッカースタジアムが40個とか言ってた気がする。大きい!けどそれ以上にすごい人の数!ということで、人口密度の高さも世界一規模。

ちなみに最大規模のスラムはというと、パキスタンのカラチにあるらしく、形式的には似ているらしい。

スラムには政府に認証された公式スラムと、無認可スラムがあって、ダラヴィは前者。
インドでスラムの定義は何かというと、「公の土地に建てられた住宅街」らしい。

公式だと、政府から「いてもいいよ」と認められているので、立ち退きは無し。だから建物の素材はコンクリートなど、普通の家に近い。住人として住民登録もされるから、学校にも行ける。

でも無認可だと、いつ撤去を強いられるかわからない。木を組んでカバーが掛けてあるだけの家に住んでいたりするようなスラム街は、明らかに無認可タイプ。住民としても認められていないから、子どもたちはストリートチルドレン扱い。

そしてその線引きは・・・2000年に存在していたか、していなかったか・・らしい。
ダラヴィの一番古い家は130年?とか言っていた気がする。それくらい歴史は深い。

スラム街は大きく、工業エリアと住居エリアに分かれている。
工業エリアに住んでるのは、基本男性と男児くらい(児童の就労はまだある)。彼らは地方出身の出稼ぎ組で、モンスーン期には家族の田舎へ戻るらしいけれど、工場で働き、工場で寝る。工場で寝れば家賃がかからないからというのが理由で、オーナーとしても工場に寝泊まりしてもらえば、朝も遅れないし夜も誰かがいてくれる方が安心というわけ。
そして1日働いて300ルピー(600円)という賃金で、居住地の家賃である3000から4000ルピーは支払えないというのも理由。職種によって、出来高制の縫製業などだと、500ルピーくらい稼ぐ人もいるそうだけれど・・・

基本は、すべて日雇い的な感じ。オーナーはもともとスラム出身だけれど、商売が繁盛したらスラムから出て生活する人が多いらしい。

スラム内での職種は1万ほど・・・というくらい、いろんな職種があって、みんなそれぞれ生活を立てている。中でも大きいのが、リサイクル業。

ムンバイにゴミの分別などあるわけもなく・・・そういう行政が全く手をつけずに済んでいる理由? もしくは行政がスラム街にさりげなく依存してるのかもしれない・・・ゴミをあちこちから集めてきて、例えばプラスティックの場合は手作業で分別、機械を使って砕いて、手作業で洗って、手作業で屋根に干して、色をつけてリサイクル品の原料を生産する。山積みにあちこちに集められたゴミの山・・・

塗料の缶は、高熱で焼いて残ってる塗料を燃やし飛ばし、缶の形を整えれば、新品同様で使える・・・ということで、リサイクル。でもこの塗料を焼くという作業、熱いだけでなく、かなりの有害物質を出すために、明らかに、そのあたりで仕事する人は健康を害す。

それでも、仕事がないよりは・・・と、その仕事をする。
訪問時はたまたま燃やしていなかったけれど、2−3分も通りに入ると、かなりキツイという状況らしい。そしてたまたまそこにいたのは、若い青年だった・・・

その他にも、ベーカリーや、鞄屋さん、革製品を扱う仕事なども垣間見る。
皮に至っては、なめし作業というやはり非常に有害物質を扱う工程があるけれど、その部分だけはあまりに有害なために、今は地方で外注作業ということになっているけれど、リサイクル同様、国内のかなりの割合でそのダラヴィ内で生産。できた革製品は、海外にも輸出されているらしい。

・・・ということで、スラム街は、なんと工業地だったのです。
安い賃金で働く労働者の・・・

なるほど。
ムンバイ人口の60%がスラムに住んでいるのもおかしくないわけだ。

そして居住地区はというと、それはそれは、入り組んだ迷路のような細い細い、人がすれ違えないくらいの隙間の道の両側に、5畳ほどの「家」があって、梯子のような階段で2階建てになっていて、2家族住む感じ(2階は大抵家のオーナーらしい)

そして、そこの住人は、街へ仕事に出かける。
そのツアーガイドのように、地域活性化の仕事をしている人もいれば、普通に会社員も、医者だっているらしい。女性はメイドさんも多いという。

つまりは、居住区に住んでいるのは、普通の人。
子どもたちは、スラム内にある学校に通っている。大人の女性の識字率を聞いたら、多分30%くらいかなということだったけれど、子どもたちは80%くらいだと思うということだった。

スラム内には普通にお店もあって、その中から出ずに生活が十分できる。
子どもたちは、人懐っこい笑顔だったし、スラム内には物乞いもいない分、通常の街並みの風景よりもなんだか清々しい印象すらあった。(物乞い自体、昔よりはかなり減っていると思う)

犯罪率というのも、特に高くないらしく、その理由としてコミュニティー意識の高さだと思うということ。みんながご近所さんで、お互い様で生きている感。ツアーガイドさんもそうだけれど、本当にいい感じ。
社会のシステムに文句がないわけではないけれど、日常の仕事で忙しいし、自分の置かれた立場でそれぞれが頑張っている感じだということも言っていた。

ただ、ほとんどの家にはトイレがなく、スラム内に自宅にトイレがあるのは1%。政府が建てたちょっと高層の集合住宅にはあるらしい。ほとんどの人は、政府が作った公共トイレに行くのだけれど、一つのトイレは1にちに200人以上が使う・・・というくらいの繁盛ぶりで、いつも混み合っているとか。そして、モンスーン期にトイレの流れが悪くなり、氾濫でもすれば、一気に感染病が広がるという悪環境らしく、これが有害物質とともに、スラムの大きな課題らしい。

また、集合住宅は、政府が作ったものの、入居希望者が少ない。
個人宅になることで、プライバシーが守られそうなのに、そうすることで、一気にコミュニティー意識がなくなることというのも、一つの要因らしい。

また、一階を貸せているオーナーにしてみれば、アパートに入れば収入源がなくなるから条件が悪いということもあるらしい。だいたい、居住区に住んでいる人たちは、代々住んでいて、コミュニティーが好きだという感覚でいるので、安くてコミュニティー感のあるスラム街を出たいという気持ちが、私たち外の人が思うほど、強くなさそうだった。(前にお世話になったツアーガイドさんも、結婚したから結局スラムを出たけれど、あまり離れたくなかったと言っていた)

ただし、政府としては大きな敷地を陣取っているスラム街を、コンパクトな高層住宅にまとめて引っ越しさせたい計画があるらしい。その際に工業側は、工場を作ってもらえるのか?と聞いたら、そうなったら工場はもう少し地方に・・ということだった。100万人の8割が賛同すれば・・・・って、ほぼするわけないだろうなあという計画なのだけれど・・・

とまあ、こんな感じで、スラムと言っても貧困層が貧しさを悲観的に捉えてボーッと毎日を過ごしているわけではなく、ごくごく普通でインドらしい風景だった。

一言で言えば、公営住宅地。
安く住める公営住宅に住居を構える。
ただそれが「スラム」という括りなだけ。
そんな感じだった。

でも政府が建てたわけではない住宅地だから、厳密には公営住宅ではない。
住民の意思で作った街に、昔ながらのビジネスがあり、さりげなく政府もそれに依存もしている・・・(政府がリサイクル業者を買収して、国政として補助すれば、彼らの労働環境も、道路や公共エリアの環境も、ゴミ収集の分別だって、もうちょっと上手く循環するんじゃないかと思った・・)

社会保障というシステムがないインドだからこそ、自分たちで工夫して低所得者でも生きるために働く。
イギリスの、甘やかし福祉(社会保障のシステムを逆手にとった非労働者たち)とはえらい違う・・・

外部者の勝手な言い分だけれど、汗水流しながら、清々しい笑顔で日々のために働いている人を綺麗だなと思った。

ツアーを運営しているのは、非営利団体
ツアー料金の8割はコミュニティーに還元されている。
本当にいい仕事しているなあと思う。
by nu2meg | 2016-05-06 01:41 | インド

気の向くままに・・・ 流れに身を任せて。


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